CICLORE Around Gravelをドロップハンドル化して、300km走ってみた
グランピーの竹之下です。
7月、CICLORE(シクローレ)Around Gravel(アラウンド グラベル)で、真夏のしまなみ海道を300km走りました。
走れはしたんですが、170kmを過ぎたあたりから、手が痛くてハンドルをしっかり握れなくなりました。
そこで、タイヤはそのまま。ハンドルだけドロップハンドルに替えて、8月の終わりに、もう一度300km走ってきました。今度は島根県浜田市まで、クジラの化石を見に。
結果、手の問題は無くなりました。代わりに、今度は足が無くなりました。

最初の300kmで、手が先に終わった
前回のしまなみ海道は302km、26時間。ペダル以外は、完成車のままで走りました。
100kmも走らないうちに、お尻に体重が乗りすぎている感じがして、今治港でハンドルを下げました。それでも170kmを過ぎると、手のひらのどこか一点に当たり続ける感じが消えません。持ち替えても、痛む場所が変わるだけでした。
Around Gravelの完成車には、手前に曲がったハンドルが付いています。街乗りでは扱いやすい一方、握る場所はほぼ1か所です。何時間も同じ場所を握り続けるうちに、僕の手はだんだん限界に。
ゴールしたとき、足はまだ残っていました。バテて終わったというより、上半身を支えられず、痛くて走れなくなった感じです。
何が原因だったのか確かめたくて、今回はハンドルだけを交換しました。タイヤはあえて、そのまま。両方替えたら、どっちが効いたのか分からないですからね。
替えたのは、主にハンドル周り

替えたのは、主にハンドル周りです。
- ハンドル:NITTOのランドナーバー
- ブレーキレバー:Tektroの機械式用レバー
- シフター:microSHIFTのバーエンドシフター
- ステム:25.4mmクランプのもの
- ワイヤーとバーテープ:レバー交換に合わせて引き直し
ペダルとサドルも、手元にあったものへ交換しています。タイヤ、変速機、ブレーキ本体は完成車のままです。
変速はシマノのTiagra、ブレーキはワイヤーで引くTRP Spyre。どちらもドロップ用のレバーと組み合わせられるので、コンポを全部入れ替えずに済みました。
ハンドルの先端側は幅390mm。玄関を通しやすく、輪行では前輪を外すだけで袋に収まります。見た目は、だいぶ尖った感じになりました。

バーエンドシフターは、段が決まっていないフリクションモードで使っています。自分で位置を合わせる必要はありますが、後ろのギアを替えるときは選択肢が広がります。
深夜3時、広島を出発
8月27日、午前3時8分。まだ真っ暗な広島を出発しました。
目的地は、浜田市の石見畳ヶ浦(いわみたたみがうら)。クジラの化石がある海岸です。骨をモチーフにした塗装の話があって、実物を見ておきたかった。それと、もう一度300kmを走りたかった。理由は、その二つです。
決めていたのは、浜田へ行くことと、帰りに益田でラーメンを食べること。道は走りながら選びました。

夜が明け、6時半ごろに温井ダムへ到着。ここまで59kmです。ダムの高さは156m。放流も見てみたかったのですが、この日は見られませんでした。
広島から浜田まで行って帰るルートは、広島のサイクリストにはおなじみです。僕も大学生のとき、トレックのマドンで一度走っています。帰宅後は「二度と行くか」と思ったのに、そのあと、なぜかロングライドが好きになりました。

島根に入り、浜田の山中で、側面に窓が並ぶトンネルを通りました。自然光が入る不思議なトンネルで、下りながら抜けるのが、めちゃくちゃ楽しかったです。
8時36分、100kmを通過。

クジラの骨は、海の下でした
見えませんでした。
石見畳ヶ浦へは、海岸の隧道を抜けて入ります。自転車では入れないので、入口に置いて、階段を降りました。着いたのは10時ごろです。
化石は海岸の岩の上にあり、潮が引いているときしか見えません。この日の干潮は朝4時前、満潮は11時すぎ。出発が遅れ、道中でも時間がかかり、着いたのは満潮の1時間半前でした。
海岸へ降りると波が来ていて、クジラの骨があるあたりは、すでに海の下でした。

クジラの骨は見えませんでしたが、岩肌に残る貝の化石や、化石の周りが丸く固まったノジュール、断層は見られました。約1600万年前の地層だそうです。

クジラ発見ならず。残念です。また今度、潮の時間に合わせて見に来ます。
170kmを過ぎても、手は握れていた

ここが、今回いちばん確かめたかったところです。
大丈夫でした。170kmを過ぎても、200kmを過ぎても、ハンドルを握れていました。
前回は足が残っているのに、上半身が先に終わりました。今回は逆です。ゴールしたときには、足がちゃんと無くなっていました。踏む力が最後までペダルへ届くようになった、ということだと思います。
ドロップハンドルは、上、ブレーキレバーの根元、下と、握る場所を変えられます。同じ場所ばかりに負担がかからない。これが大きかったです。
益田のラーメン、そして雨
浜田から益田までは、国道9号で海沿いを西へ。海沿いだから平坦だと思いますよね。
違いました。ひたすら登って、下って、その繰り返しです。気温は33度。海が見えているのに登り続けます。誰だよ、こんなところへ行こうと言ったの、と思いながら走っていました。
170km地点で、ようやく益田の街へ。路面には「2018年全日本コース」の表示が残っていました。あとで調べると、2018年に全日本選手権ロードレースが開催された街でした。


目当てのレトロ自販機で、ラーメンを買いました。暑いのに熱いものはどうかな、と思っていましたが、出てきたラーメンは思ったより豪華。薄味で、おいしかったです。

ここから内陸へ入り、津和野方面へ登っていきます。その途中で、雨が降り始めました。
雨は、まったく想定していませんでした。
吉賀町では小屋へ逃げ込みました。結局、40分くらい雨宿り。その間に、外は暗くなっていました。


雨が小降りになり、再び出発。湿度がすごく、息が重い。アマゾンにいる気分です。行ったことはないですけど。
岩国を過ぎて、最後の山へ。街灯はなく、真っ暗です。濡れたまま夜の山を登っていると、体がどんどん冷えてきます。250km走ったあとに登る山ではありませんでした。雨具か、せめて羽織るものを持ってくればよかったです。

登り終えたところで、ようやくゴールが見えてきました。足はもうありません。
8月28日、午前1時39分に広島へゴール。297.6km、22時間31分でした。
今日は、世界で一番気持ちよく寝られる人間だと思います。観戦ページから応援してくれた皆さん、ありがとうございました。
走って分かった、まだ気になるところ
ハンドルとポジションは、かなり良くなりました。でも、まだ気になるところが三つあります。
一つ目はタイヤ。細かな振動をずっと拾う感じがあり、長い距離では少しずつ疲れてきます。前回はポジションの影響が大きかったと思いますが、タイヤも、やっぱり気になります。次はスリック寄りのタイヤで試します。
二つ目はバーエンドシフター。まだ慣れておらず、変速はSTIよりワンテンポ遅れます。少し先を見て、早めに変速する必要があります。もう少し軽く動くように、調整してみます。
三つ目はサドルの角度。前下がりにしすぎると、体重が前へ移り、手の負担が増えました。ロングライドなら、もう少し水平に近いほうが良さそうです。
ギア比は完成車のままで、獲得標高2000mほどを走っても大きな問題はありませんでした。もう少し軽いギアが欲しい場面はありましたが、最初から交換する必要はなさそうです。
あとは、暑さと湿度とコースに対応できるように、自分を鍛えることですね。
完成車から、乗り方に合わせて変えていける
Around Gravelは、変速がロード用で、ブレーキは機械式。だから今回のように、ハンドル周りを中心に替えるだけでドロップ化できました。
ホイールは20インチの406規格なので、タイヤも選べます。フォークにはボトルなどを付けるネジ穴があり、センタースタンドの台座も最初から付いています。
完成車で乗り始めて、使い方が変わったときに、必要なところだけ手を入れていける。Around Gravelは、そういう楽しみ方ができる車体だと思います。
次はタイヤ。もう一度走ります
次に試したいのはタイヤです。スリック寄りのものに替えて、また同じくらい走ったら、どのくらい変わるのか。もう一度確かめます。
ハンドルの高さや角度は、乗りながら少しずつ調整します。大きく替えるところは、もう無いと思っています。
結局、ミニベロで300kmは走れる?
走れます。
完成車のままでも走れました。ただ、僕の場合、170kmから先を楽に走るには、ハンドルを替える価値がありました。
Around Gravelは税込198,000円。1サイズで適応身長は155〜180cm、重量は11.3kgです。カラーはBLUE HOURとORANGE PEEL。今回のドロップハンドル仕様も店頭で見ていただけますし、試乗もできます。
どこを変えるといいかは、乗り方や体格で変わります。気になった方は、店頭で車体を見ながら一緒に考えましょう。
動画
ドロップハンドルへ組み替えたときの動画と、300kmを走った道中の動画です。