新型DURA-ACE C50(WH-R9370-C50)実走レビュー|剛性・乗り心地・ロング適性を検証
こんにちは。竹之下です。
今、ペイントの仕事がめちゃくちゃ忙しくて、なかなか自転車に乗る時間が取れていません。
しかも最近は雨続き。
走れるうちに走っておきたいとは思っていたんですが、ペイントの仕事もかなり詰まってまして…
そんな中、新しいDURA-ACEのC50を貸してもらえることになりました。
「せっかく晴れてるんだから、今のうちにレビューしてこい」
と西上に言われまして…。
最初は何言ってんだ、とも思ったんですが、せっかく借りたホイールです。
雨が降って、乗れなかったではまずいので、行ってきました。
本当はロングライドでもじっくり試したかったのですが、今は本当にそこまで時間がありません…
なので、走行記録が残っていて比較できる、いつもの極楽寺コースを走ってきました。

新型DURA-ACE WH-R9370-C50
今回お借りたのは、SHIMANOの新型DURA-ACE WH-R9370-C50です。
前後セットの重量は1,302g。
僕が普段使っているNEPEST MAUI 50は公称1,315g±30gなので、重量はほとんど変わりません。
リムハイトも、どちらも50mmです。
さらに、どちらもVONOA製のカーボンスポークを採用していて、スポーク本数も同じ。ただし、DURA-ACE C50のスポークは、このホイールのための専用設計です。同じメーカーのカーボンスポークだからといって、MAUI 50と同じものが使われているわけではありません。
数字で違うのは、リムの内幅です。
MAUI 50が21mmなのに対して、DURA-ACE C50は23mm。
ハブも違っていて、MAUIはシールドベアリング、DURA-ACEはカップ&コーンです。
なので、数字だけを見ると、ほとんど違いがありません。
で、気になったのが、
「実際に乗って、本当に違いが分かるのか?」
ということでした。

MAUI 50はロングライドでお気に入り
今のMAUI 50はもう1年以上使っていて、かなり気に入っています。
軽くて、乗り心地もいい。
ロングライドへ行くことが多いので、長時間乗っても身体への負担が少ないMAUIの柔らかさは、大きなメリットだと思っています。
ただ、速く走ろうとすると、少し気になるところもあります。
特に、39km/h付近からさらに加速したいときです。
誰かを追いかけたり、レースのような走り方でもう一段踏み込んだりすると、少しだるさというか、垂れるような感覚があります。
ロングライドでは気になりませんが、速い速度域からさらに前へ出たいときには、もう少し反応が欲しい。
僕の中では、そんな位置づけのホイールです。
乗った瞬間に分かりました
正直、乗る前は少し心配していました。
スペックがこれだけ似ていると、乗り比べても違いが出ないんじゃないかと思っていたんです。
ところが、走り始めた瞬間に違いが分かりました。
DURA-ACE C50に替えると、自転車全体がかなりレーシーになります。
「パリッと前へ進む」
という感じです。
ペダルを踏んだとき、ワンテンポ遅れずに、そのまますっと駆動へつながっていく。
普段乗っているCHAPTER2は、硬すぎず、レーシーすぎない乗りやすい自転車だと思っていました。
それがDURA-ACE C50へ替えると、「これがレース機材か」と思うくらいスポーティーな乗り味になりました。
ホイールだけで、自転車そのものが変わったように感じます。

硬いと乗り心地が悪くなる?
ここで少し分けて考えてもらいたいのが、ホイールの硬さについてです。
自転車のしなりには、路面からの入力に対する縦方向の感覚と、ペダルを踏んだときの横方向の感覚があると思います。
DURA-ACE C50で強く感じたのは、踏んだときの剛性感です。
これがMAUI 50とは段違いでした。
ただし、路面からの突き上げが強くて乗り心地が悪いわけではありません。
今回使ったタイヤは30CのVittoria Corsa Proです。
23mmのリム内幅との組み合わせでエアボリュームもあり、路面からの乗り心地はかなりいいです。
踏んだときはパリッとしている。
でも、路面からの突き上げはありません。
DURA-ACE専用設計のVONOA製カーボンスポーク
DURA-ACE C50には、このホイールのために専用設計されたVONOA製のカーボンスポークが使われています。

MAUI 50もVONOA製でスポーク本数は同じですが、DURA-ACEのスポークは専用設計ということです。
それでも、今回感じた反応の違いをスポークだけで説明することはできません。
DURA-ACEはカップ&コーンのハブで、借りた状態のままでも前後ともよく回っていました。
カップ&コーンは、きちんとメンテナンスしながら回転を調整できるところも、僕が好きなポイントです。
今回感じた差は、専用スポークの設計に加えて、スポークテンションやハブ軸の剛性、リムを含むホイール全体の設計が関係しているのだと思います。
ただ、どの部分がどれだけ影響しているのかなどは、正直わかりません。おそらく、スポークが軽くなったので、リムの剛性やバランスがよくなったのではないかな?と思います。
ロングだと膝に来る?
反応のよさに驚く一方で、最初は、
「これ、ロングライドだと膝にきそうだな」
と思いました。
普段使っているMAUIと同じ感覚で強く踏むと、その力がすぐに返ってきます。
レースで速く走りたいなら、これはいいことだと思います。
ただ、この感覚のまま何時間も踏み続けるとなると、今の僕にはちょっとしんどい。
山頂で西上に感想を聞かれた時は、「今ロングライドへ行くならMAUIを選ぶ」と答えました。
ロングライドで300kmくらい走るので、速さだけではなく、長時間乗ったときに身体へどう響くかも大切です。
レールの上を走る感覚
山を下って、平地で漕ぎ方を変えてみたら、ちょっと印象が変わりました。
200Wくらいで、強く踏み込むのではなく、ペダリングを丁寧に回すことを意識してみました。
すると、硬さはあるのに、レールの上を走っているようにスッと進みます。
無理に踏みつけなくても、回転を合わせるとホイールの反応のよさを使って速度を維持できる。
強く踏むと膝にきそう。
でも、丁寧に回すとすごく気持ちいい。
ちょっと乗り方のコツが分かってくると、
「ロングでもいけるかもしれない」
と思うようになりました。
最初はつらく感じても、乗り続けて身体が慣れれば、自分のものにできるかもしれません。
これはロングライドに行ってみたくなりました。
タイムはどうだったか?
感覚だけではなく、過去のデータとも比較しました。
3〜4%程度の緩斜面が続く「魚切ダムTT」では、自己ベストを約5秒更新しました。
これまでの速い記録は誰かと一緒に走ったときのものですが、今回は一人です。
別の登りでは過去3番目くらい。
平地区間も、途中で車がいて流すように走ったのに、過去2番目くらいの記録でした。
すべてをホイールだけのおかげだとは言えません。
その日の体調や風など、いろいろな条件があります。
それでも、特別に記録を狙っていなかった区間まで速かったことを考えると、ホイールを替えた影響はあったと思います。
感覚として違うだけでなく、走行データにも結果が出たのは面白かったです。
ロングライドではどうか?
今回走ったのは、いつものトレーニングコースです。
なので、
「DURA-ACE C50はロングライドでも間違いなくいい」
とは、まだ言えません。
今の時点でロングライドへ行くなら、乗り慣れているMAUI 50を選ぶかもしれません。
ただ、丁寧に回したときの感触を知ってからは、もっと長い距離で試してみたくなりました。
この剛性を乗り越えられれば、さらに遠くへ行けるような気もします。
ロングライドもレースも、これ1本でいけるか?
MAUI 50は、今でもロングライド用として気に入っています。
軽くて乗り心地がよく、扱いやすいホイールです。
一方のDURA-ACE C50は、速く走るための剛性が明らかに違いました。
40km/h付近からもう一段加速したいときも、踏んだ力がワンテンポ遅れずに前へつながります。
スペックだけを見ると似ているのに、実際に乗ると性格はまったく違いました。
最初は「似たようなスペックなら、価格の安いほうでもいいんじゃないか」と思っていました。
でも、実際に走ると、カップ&コーンのハブという違いだけでは説明できない差がありました。
あとは、このレーシーな反応を残したまま、長い距離でも気持ちよく走れるかどうか。
ロングライドにも使えて、レースや速く走りたい日にも応えてくれるなら、1本でどちらもいける理想のホイールになります。
正直、もっと乗ってみたいです。
できれば、まだ返したくない、そんなホイールでした。
実走レビューを動画で見る
今回の実走レビューは、こちらの動画でも紹介しています。
DURA-ACE C50の商品はこちら
フロントとリアは、それぞれ単品販売です。