ロードバイクは太くなり続ける? ENVE Melee V2が35mmをやめた理由

ENVEの展示会で、新型ロードバイク「Melee V2」を見てきました。

最近のロードバイクは、タイヤがどんどん太くなっています。少し荒れた道も走れて、ロングライドでも快適。ロードバイクとオールロードの境目が、だんだん曖昧になってきたように感じます。

そんな流れのなかで登場したMelee V2は、少し意外な変更をしていました。

旧型Meleeの最大タイヤ幅は35mm。それがV2では33mmへ狭くなりました。さらに、旧型にあったフェンダーの取り付け穴もなくなりました。

なぜENVEは、時代の流れと反対にも見える方向を選んだのでしょうか。

展示会で撮影したENVE Melee v2のフレーム

Melee V1は、35mmタイヤに対応していた

初代Meleeが登場したのは2022年です。

最大35mmのタイヤに対応するレースバイクは、当時としては異例でした。舗装路での速さを狙いながら、太いタイヤによる快適性や、少し荒れた道まで走れる自由度も持っていました。

現在のロードバイクがオールロード方向へ進む、その流れを早くから作った一台だったと思います。

ENVE Melee v1のフロントタイヤ周辺

ちょうど先日、グランピーでもMelee V1を納車しました。

Grumpy Bike ShopでENVE Melee v1を納車したお客様

レースバイクらしい反応の良さがありながら、35mmタイヤやフェンダーにも対応する。この用途の広さは、初代Meleeの大きな魅力でした。

先日納車したENVE Melee v1

V2は最大33mm

Melee V2の最大タイヤ幅は33mmで、ENVEが最適としているタイヤ幅は31mmです。

昔のような細いタイヤへ戻ったわけではありません。28mmや30mmが当たり前になった現在のロードバイクとしては、十分な太さです。

旧型でいち早く採用した最大35mmから、舗装路のレースバイクに必要なところまで絞った、という方が近いと思います。

ENVEによると、タイヤクリアランスを狭めたことでフレームの表面積を7.5%減らし、軽量化と空気抵抗の低減につなげています。

太いタイヤが入ること自体を性能と考えるのではなく、舗装路を速く走るために必要な太さを見極めたのでしょう。

ENVE Melee v2のヘッドチューブとフォーク正面

フェンダーの取り付け穴もなくなった

初代Meleeには、目立たないようにフェンダーの取り付け穴が用意されていました。雨の日や冬のロングライドにも使いやすい、実用的な装備です。

しかし、Melee V2ではこの取り付け穴もなくなりました。

35mmタイヤとフェンダーへの対応をやめたことからも、V2が用途を広げるのではなく、レースバイクとして役割を絞ったことが分かります。

便利な機能が減ったと考えると、少し残念に感じる人もいると思います。実際、初代Meleeの使いやすさが合っている人も多いはずです。

では、なぜ今この変更なのでしょうか。

Frayが登場したことで、Meleeの役割が変わった

初代Meleeが発売された当時、ENVEの量産ロードバイクはMeleeだけでした。そのため、レースからロングライドまで、幅広い使い方を受け持つ必要がありました。

その後、ENVEはFrayを発売しました。Frayは、長距離での快適性や太いタイヤへの対応、荒れた舗装路まで走れる自由度を持つオールロードです。

さらに、ENVEのロードバイクには、米国でオーダーできるCustom Roadもあり、俊敏性を重視したRaceと、安定性を重視したAll Roadが用意されています。

ラインアップが揃ったことで、Meleeが一台で多くの用途を受け持つ必要がなくなりました。

  • MOG:グラベル
  • Fray:速さと快適性を両立したオールロード
  • Melee V2:舗装路での速さを優先したレースバイク

こう見ると、Melee V2が35mmをやめた理由が見えてきます。

何でもできるより、何をしたいかで選ぶ

2022年に最大35mmを打ち出し、ロードバイクのタイヤが太くなる流れを先取りしたENVE。そのENVEが、Melee V2では最大33mmへ絞り、フェンダーの取り付け穴もなくしました。

数字だけを見れば、違いはわずか2mmです。しかし、その2mmには、現在のロードバイクの万能化とは少し違う考え方が表れています。

Melee V2は、できることを増やすのではなく、舗装路を速く走ることに、もう一度役割を絞ったバイクです。

レースや速いグループライド、舗装路でのスピードを優先するならMelee V2。ロングライドでの快適性や、少し荒れた道まで走る自由度を求めるならFray。

どちらが上とか下という話ではなく、自分が何をしたいかで選ぶ。ENVEのロードバイクは、以前より違いが分かりやすくなりました。

ENVE Melee V2は、フレームセット792,000円(税込)。グランピーでもオーダーの受付を開始します。サイズによっては在庫もございます。サイズ選びやパーツ構成については、店頭でご相談ください。

続く第2部では、Melee V2がハンドル、シートポスト、ボトルケージまで含めて、どのように17Wを削減したのか。「Real World Fast」の中身を紹介しています。

第2部:17Wはどこで減った? ENVE Melee V2の「Real World Fast」

Leave a comment