最近のマウンテンバイクはカテゴリーが細分化されすぎて、これから始めたいと思っている人にとっては、どれを選べばいいのか、とてもわかりにくいと思います。
マウンテンバイクの種類の話 vol.1ではマウンテンバイクをハードテイルとフルサスの大きく2つに分けてお話しましたが、今回は使い方で分けて説明してみます。
マウンテンバイクの使い方は、次のように主に大きく3つと+1つに分けられます。
・DH/ダウンヒルバイク・・・その名の通り、とにかく山を下るカテゴリー。
・AllMountain/オールマウンテンバイク・・・This is MTB!なカテゴリー。さらに3つに分けます。
・XC/クロスカントリーバイク・・・持久系競技のカテゴリー。オリンピック種目にもなっている。
と
・FreeRide/フリーライド・・・ダートジャンプやスロープスタイルなど飛んだり回ったり落ちたりアクション多めのカテゴリー
それぞれ詳しくみてみましょう。
DH/ダウンヒル
とにかく山を下るということに特化したマウンテンバイク。
バイクの特徴:
前後200mmストロークくらい。市販車は27.5インチホイールがメインだけど29インチホイールも出始めている。
ヘッドチューブの上下を2枚のプレートで挟み込むようにフォークを固定するダブルクラウンフォークが特徴。剛性が高くハイスピードでもブレずにしっかりラインをトレースできる。
見た目はモトクロスバイクからエンジンを取っ払ったような感じ。
構造上小回りできないので山を下ること以外の状況では扱いづらい面もある。
全てにおいて下りをいかに速く走るかを突き詰めたバイクなのでとにかく下りでは楽に速く走れる。一方、上りは全く考慮されていないのでスタート地点まではリフトや車などで、または徒歩で移動する必要がある。自走で山を登るのは地獄です。
All Mountain/オールマウンテン
これぞマウンテンバイクといったカテゴリー。
自走で山を登り、そして下りをしっかり楽しむ。思う存分山を堪能するバイク。
上りも下りも全部含めてマウンテンバイク。
フレーム素材、ホイールサイズも多種多様でもっとも種類の多いカテゴリーです。
このオールマウンテンカテゴリーはさらに
・ENDURO/エンデューロ
・All Mountain/オールマウンテン
・Trail/トレイル
の3つに分けることができます。
Enduro/エンデューロバイク
エンデューロレース向けマウンテンバイク
バイクの特徴:
前後160mm〜170mmストロークくらい。
27.5インチホイールが多いけど29インチホイールも急増中。
DHバイクよりも軽量でストロークは少し短いがDHバイクと同様いかに速く山を下るかということに特化したマウンテンバイク。
フォークは一般的なシングルクラウンフォークだけどフレームやフォークの設計はダウンヒルに特化している。
ただ、競技の特性上、スーパーローギヤやドロッパーシートポストなどが装備され登りも考慮された仕様になっている。
エンデューロレース:エリア内に数カ所設定された計測ステージ(ダウンヒル)のスタート地点まで自走で移動、計測し、また次の計測ステージへ自走で移動。。。を繰り返し全ての計測ステージの合計タイムを競うレース。
※エンデューロと聞くと◯◯時間耐久レースみたいなのを連想する方も多いと思いますが、マウンテンバイクのカテゴリーとしてのエンデューロは持久系ではなく基本はダウンヒルです。
All Mountain/オールマウンテン
名前の通りどんな場所も走れるオールラウンドなマウンテンバイク
特徴:
140mm〜160mmストロークで。
ホイールサイズは27.5インチも29インチもあり。
自走でトレイルを登り、下ってくるという遊び方にぴったりなバイク。
Enduroバイクはレースバイクなので下りに特化した尖った性格ですが、オールマウンテンやトレイルバイクはレースバイクに比べマイルドというか角が取れたような性格なので速さを求めるというよりも、楽しく乗るためのバイクです。
レース志向ではないけど下りを快適に楽しみたい人にぴったりです。
中には160mmストロークくらいのフォークがついたハードテイルという変態さん向けのバイクもあります。
Trail/トレイル
山遊びにちょうどいいのがこのカテゴリ
初めてマウンテンバイクを買う人にはこのあたりがオススメ。
Transition Carbon Hardtails from Transition Bikes on Vimeo.
特徴:
140mmストロークくらいまでマウンテンバイク全般
フルサスもあればハードテイルもあり。ホイールサイズは27.5、27.5+、29など様々。
フレーム素材もスチール、アルミ、カーボンと最も多くの種類が存在します。
もっとも気軽に遊べるカテゴリーで、のんびりダートを楽しむ人もいれば、ギュンギュン飛び回る人もいて遊び方も様々です。
また、ロングストロークのオールマウンテンバイクではもっさりしてるからもう少しキビキビ走りたいという上級者にも人気です。
XC/クロスカントリー
オリンピック種目にもなっているXCレース向け
29インチホイール、100mmストロークのカーボンバイクが主流。
アップダウンを繰り返すクロスカントリーレースを速く走るためのバイク。
ヘッドアングルが立っているのでハンドリングが軽快で上りもしっかり登れます。そのかわり下りはライダーのテクニックが試されます。
ロードバイクに匹敵するほどの軽量バイクもありクロスカントリーレースがしたいならこのカテゴリー。
ハードテイルとフルサスはお好みで。テクニックのない初心者ほどフルサスがオススメです。もちろん重量面でのハンデはあるけど、木の根が張っていたりしてスリップしやすいシングルトラックの上りでリアサスが真価を発揮します。ハードテイルのライバルがスリップしてもたついている側をフフン♪と乗ったまま登って行ける。そんな感じです。
FreeRide/フリーライド
他のカテゴリとは若干毛色の違うカテゴリー
ダートジャンプやスロープスタイル、はたまたRedBull Rampageのようなハードコアなカテゴリです。
この手のスタイルが好きな人はコンパクトでダイレクト感のあるのり味を好むので26インチが多いです。
26インチ最後の砦です。
ただ、日本国内で26インチのフリーライド系フルサスバイクはほとんど市販されておらず、実質ダートジャンプバイクくらいしかないです。
実際には、エンデューロバイクとオールマウンテンバイク、オールマウンテンバイクとトレイルバイク、トレイルバイクとXCバイク、それぞれの間に明確な線引はできません。
大体、上記の内容を知っておけば、雑誌やネットの記事を理解しやすくなると思います。
ただ、一番大事なことはカテゴリーではなくて、どのように使うか、そしてその使い方にあった自転車を選ぶことです。
グランピーにご相談頂ければ、あなたにピッタリの1台をご提案できると思います。